2023/05/13 13:17
幼稚園の工作の時間に使う色画用紙を選ぶ瞬間に、いつもワクワクしていました。
クリスマスプレゼントにもらった外国製の何十色ものクレヨンで絵を描く時間がとても好きでした。
色のついた木のパズルでつくる色面(線と形)の組み合わせが面白く、繰り返し繰り返し遊んでいました。
幼いころ、線と色面(色と形)が作り出す組み合わせに、夢中になっていた記憶があります。
また、小さな頃、母は洋裁や刺繍、編み物をする人で、彼女が家族のセーターを編んでいたことで、
私は、自然と、編み物に興味を持つようになったのだと思います。
編み物は、線と色と形遊びの楽しみが平面から立体になり遊びの幅、自由度がとても増えます。
自分で組み立てた色や形が、触るとふわふわとやわらかくて、包まれるとあたたかい。
そんな、身にまとう楽しみも増えるので、私が惹かれるようになったのも当然のことだったのかもしれません。
実際に、私が描いた絵を編みこんだセーターや、私が選んだ色でセーターを母が編んでくれたことも
編み物に興味を持ったきっかけだったかもしれません。
今も、編み物の一連の流れを知ったときの記憶が残っています。
母が私のセーターを編んでくれるということで、
あの時、私は、確か、くすみがかったピンクアーモンド色に虹色のラメが入っていた毛糸を選びました。
毛糸を選ぶことが楽しかったこと、
ケーブル編みのセーターが着たくて、どんなパターンを入れたいのかを母と出来上がりイメージを相談をしたこと、
一本の毛糸が形になっていく様を見ているのがとても楽しかったこと、
着ることがとても嬉しかったこと、などなど、色々なことが印象に残っています。
そのうちに、私も母から編み方を教わって編み物をするようになりました。
私が初めて母から初めて教わって編もうと決めたのは、マフラーでした。
あの時は、編み物本を見ることもなく、マフラーの全体のイメージと大きさを幅を母と相談しながら
自分でざっくり決めました。
え?そうなの?本を見なくていいの?とちょっとドキドキしながら決めたのは、三色のボーダーマフラー
その時は、スムーズに仕上がるということで、かぎ棒を使った長編みを教わりました。
ボーダーの幅や全体の長さも好きなところまで編んで決めればいいよとのアドバイスで、
編みながら長さを決めたときの「自分の体や好みに合わせられるんだ!?」という安心感や、
既製品の中から選ぶイメージとはまた違った楽しみがあったことが新鮮でとても強く印象に残っています。
更には、母と毛糸を選びに行って、これまたスムーズに形になりそうな極太毛糸の中から、
3色の色の組み合わせを考えていたときのワクワク感。
実際に編み始めて編み地を見てからの「好きな色だけを組み合わせても、好きなようにならないのね!?」といった衝撃。
初めに何を編みたいのか?どんな編み地を編むのか?を母にヒアリングをしてもらって編み方や方針を決めたはずなのに、
実際に、編んでみたときの「かぎ棒編みでは、メリヤス編みやケーブル編み地にはならないのね?」といった衝撃とともに、
「私はメリヤス編みの編み地を見るのが好きなんだな」という発見と、「次はメリヤス編みをしたいな」と思ったことも覚えています。
そういえば、思っていたように編めなかった時(編み地の色面が初めのイメージと違った!)時や、
編み間違えてしまった時の、ほどいて編み直しをするまでの気持ちのリセットの仕方、
少し、遠い目になった記憶・・・も、なんだか覚えています。
なによりも、編み物をする時間が静かに流れていくのがとても心地よかったことを覚えています。
...小さいころの記憶をつらつらとたどってみましたが、
あの頃から長い時を経て、いろいろなところを通りながら、今に至ったのは、
あの時の色形遊びと編み物がつながったからのような気がしています。
私にとっては、編み物をするときは、いつも新鮮で、いろいろなワクワクや衝撃、楽しみ、心地よい時間に触れることができます。
Palettieの手染め毛糸も、そんな風に、誰かの楽しくてほっとする時間のお供になれたら幸いです。