2023/12/12 13:15

こんにちは。手染め毛糸のPalettieです。

つい先日、いつもだったらまだ眠りの中、まだ日が昇らない、どちらかというと夜中寄りの真っ暗な早朝に目が覚めました。

目が覚めたとたんに、頭の中には大音量でDreams Come Trueさんの「love love love」のサビがこだましていることに気が付きました。

明るい光だけがあふれているイメージの中で、軽快なドラムのリズムとともに、吉田美和さんの、あのあたたかくて力強い歌声が、「愛を叫ぼう!」って。


最近、ましてや、眠る前にその曲を聞いたわけでもなく、友達に誘われてライブ会場に足を運んだのはもう何年も前に一度だけ。

私にとっては、あまりにも突拍子もないタイミングで、とても不思議だったけれど、優しい気持ちで目覚めるなんて、と、なんだか、ふふふと笑みがこぼれていました。


あたたかい毛布にくるまれてうとうとしていると、次に自然と心に浮かんできたのは、ナチュラルヤーンのことでした。今年、心血を注いだ毛糸の一つは、まぎれもなくナチュラルヤーンだったなと。

それから、私の中で、ナチュラルヤーンについての回想が始まり、もう少し眠りたかったにもかかわらず、すっかり目は覚めてしまいました。



 そんなこともあり、最近いただいたメッセージにも励まされ、ナチュラルヤーンのことについて、もう少し言葉にしてみようと思いました。

というわけで、今回のブログは、ナチュラルヤーン愛を叫んでいます。


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ナチュラルヤーンのコンセプトは、1年以上前に私の中で輪郭を持ちました。


きっかけは、素敵な作品を沢山作り出しているあるニットデザイナーさんとの出会いでした。
私が染めた毛糸にも興味を持っていただき、あるイベントを一緒にしましょうとお声掛けいただいたのです。

私の編み物生活に、ワクワクした時間を多くもたらしてくれたその方の作品を思うと、身が引き締まる思いでした。色々な美しい毛糸が既に沢山世の中にあるので、私が染めた毛糸でなくても大丈夫。それでも、もし、私に何かご提案できることがあるとしたら、私が今できる最善をやってみようと思いました。そして、それからは、今の私が手染め毛糸を通してその方へ出来ることは果たして何だろう?と、その方のデザインされた作品を見直したり、まだ見たことがなかったその方の作品に折を見て触れ、感じたりすることから始めました。その方は、素朴でハリのある毛糸を好んでご自身の作品に多用されておりました。その方の作品は、素材を生かした素朴な雰囲気で、静かで凛々しいモノトーンや大人っぽい印象の配色が多く、シンプルで力強く、編み込み模様や模様編みも大胆で印象に残ります。私には、特に、立体の造形美が際立っているように見えました。そして、その方との対話を通して、今、その方が見ているもの、これから作り出していきたいイメージや方向性等、その方の好みにより、寄り添えるような毛糸を形にしてみたいと思うようになりました。

まずはソックヤーンでとのことでしたので、私がもし何かできることがあるとしたら、自然で素朴でハリがあり、かつ草木染の明るいトーンの色のソックヤーンというイメージが固まりました。(触れていてどこか懐かしくなるような優しい素朴な雰囲気は、草木染めの得意分野だと感じています。)

それからは、染めるための毛糸を探すことから始めました。今まで手にいれていた毛糸を見直したり、他の毛糸の作り手さんからの毛糸を新しく取り寄せたり・・・。

この時、私が大切にしたのは、素朴な手触りとハリを持つのと同時にチクチクしないを叶える毛糸/毛糸の優しい光沢をもつもの/環境により寄り添えるような自然な形に近いもの...などでした。

最終的にこれだな!と思ったのは、ノンスーパーウォッシュのオーガニックウールが使われたソックヤーンでした。

選んだソックヤーンを取り寄せて、実際に試し染めしてからは、私がいつも取り扱っていた毛糸とは少し異なる挙動のこの毛糸に対して、可能な範囲で適する方法を探していきました。この夏の間は、その範囲を探る実験を静かに繰り返していた印象です。

そして、最終的には、様々な植物の力を借り、一色でももちろん良いし、多色を選ぶ楽しみもあるように、また色々な分量での配色が組みやすい色で、それぞれ優しい印象、力強い印象になるような2パターンの色の組み合わせを染めました。

実際に、素朴で、ハリがある仕上がりに染めあがったら、次は、編んで、編み心地や履き心地などを確認しました。

スワッチを編んでみると、このナチュラルヤーンは、Fingeringとはいえ、私が通常取り扱っているFingeringよりも心持ち厚めの編み地になります。靴を履いて外出する靴下を編むことにすると、おそらくメリヤス地が適しているだろうと判断しました。(模様編みをすると、編み地が立体的になり、もしかすると靴が窮屈に感じられるかもしれないと思ったからです。サンダルと合わせる靴下の場合や、室内履き靴下を編む場合は、編み方を選ばないで、より自由に好きな編み地で編めます。二本でひき揃えたり、編み込みや、模様編み等を使用するとさらに丈夫になり、これらも適していると思います。)

そこで、今回は、かねてから編んでみたいと思っていたいくつかのメリヤス編みがメインのソックスを編みました。(インスタにはあげていたのでご存じの方もいらっしゃると思いますが、編んだ時系列でご紹介すると、一つは、ウツボの母、@chiharu.amukoさん(Chiharu Nagaseさん)のウツボソックス。もう二つは、Yuccaさん(@sio2_yucca さん、#YuccaKnit さん)のRainbow TownとBerry Crumble Bars(←こちらはリブとかかと部分に使用)になります。)

編み地がしっかりと丈夫な仕上がりを確認し、また、(ハリを優先したため、とろけるような触り心地ちではないけれど)編み込み模様のソックスにもご利用いただけると感じました。

(※ナチュラルヤーンを用いて、かつ、靴下に使用するデザインが少し大きめの編み込み模様の場合(例えば、RainbowTownの円の模様位の大きさ)は、渡りの糸を心持ちゆったり目にとっていただけると履きやすくなります。編み地裏の糸の渡りの長さは、かかとが入り、かつ、模様が成り立つ範囲の渡りの長さに調節していただくと安心です。私は、今回、Rainbow Townを編む際には、裏に糸を渡らせて編みましたが、裏に糸を渡らせないで編みくるんでいただく方法もあります。お好みの仕上がりに合わせて、お好きな方法を選んでいただけたらと思います。)


...さて、このようにして染めあがったナチュラルヤーンなのですが、実は、当初のきっかけであったニットデザイナーの方にお見せすることなく、ぱたりとイベントのご縁はなくなってしまいました。


それでも、このナチュラルヤーンを染めるきっかけがあの方への敬意と感謝からだったことには変わりなく、素朴なたたずまいに相変わらず愛おしさも感じています。そして、懲りることなく、もし、またこの糸にご縁があるとしたら、今度は、染め方自体をまた少し変え、手触りと色の印象もリニューアルしてお届けしてみたいとも思っております。


まずは、近いうちに、今年染めた、素朴な手触りのナチュラルヤーンを組み合わせて、ミニかせソックヤーンセットとして、形にしてみようと思います。

もし、誰かの想像力・創造力をくすぐるような、そんなご縁がありましたら、それはとても幸いです。

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最後まで、お読みいただきありがとうございました。引き続き、どうぞ素敵な一日をお過ごしください。