2024/02/28 11:23

こんにちは。手染め毛糸のPalettieです。前回の寄り添うニット①に引き続き、今日も今日とて、ニット愛のブログです。

久しぶりに更新するブログが、
染めた毛糸に関するものではなくて、
寄り添うニットが好きだという内容で
なんとも不思議なことになっていますが・・・。


今までを見つめて、そして、これからも心の中心に大切に置いておくものを意識できたこの機会、忘れないように、言葉にしてみました。お時間の許す方はお付き合いいただけましたら嬉しいです。



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さて、そういえば、ありました。私にも、ずっと身近にあるニットが。

そのニットのセーターは、かれこれ、もう20年来、私の側にいます。長いだろうなとは思っていたものの、改めて、一緒にいた年月を数えて驚きました。

買い求めたときから既に体にフィットするタイプのニットだったのが、年月とともに少し成長してしまった今の私に、更にフィットしてしまっているにもかかわらずまだ着ているところや(今は、ゆるっとしたニットが好みにも関わらず)、

着ているのを忘れたときに洗面台の鏡に映る毛糸を見ると、飽きもせずに「この毛糸好きだな」と思ってしまうところなどに、

自分でも少しあきれて笑ってしまうのですが、好きなのだから仕方がない。

このニットを見ると、私は、つくづく毛糸が好きなのだと意識するのです。

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そのニットに出合ったのは、私が社会人になって少しした頃でした。会社に来ていくための、少し仕立てのよいシャツを探していた時に偶然立ち寄ったお店で、そのニットに一目ぼれをしていました。その時は、「シャツを買いに来たのだ」と自分に言い聞かせ、色々な理由を付けて、買わずにお店を出ました。

そうやって、一旦は買わずに、お店を出ることにも成功したものの、結局、すぐに買い求めにお店に戻っていました。


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それからは、色々なところを一緒に旅したそのニット。今は、沢山の思い出も愛着もあり、日々の心強いパートナーになっています。


バルキーな糸で編まれた地厚な編地でカジュアルな印象があるところ、

暖かいところ、

体にフィットしているがゆえに作業しやすいところ、

シンプルな形、

やや粗雑に扱っても丈夫なところ等、


私にとっての好みが重なっているので、長年一緒にいられるのかもしれません。


日々いろいろあっても、身に着けることで嬉しいと感じていられる時間が増えており、確かに、このニットは私の生活を豊かに彩ってくれています。そして、ここまで私と一緒に過ごしてもらえるのだから、今は、「あの時、出合えてよかったな」と思っています。


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ここまで来て、なんとなしに身の回りを見回すと、「そういえば・・・」と。どうやら、私は、気に入ったニットを着たおす傾向があるような気もしてきました。


例えば、オーガニックコットンとヤクの繊維で作られた、とろんとしたニットの羽織、

少し肌寒いときにふわりと着られて、着ている服やシチュエーションをあまり選ばずないのが気に入っているのだけれども、薄い生地だったので、手首にほころびが出ています。そして、とろんとした羽織は、もう、全体的にくたりとしているとも言えます。とても気に入っていたので、新しい同じものを買い求めたかったのだけれど、同じものは作られていないという・・・。

何度も捨てようかなと思ったけれど、結局、手首に刺繍のアップリケをして着ています。

刺繍をするのも好きで、刺繍のブローチやアップリケが好きで、刺繍の小物をいつも身に着けていたいと思っていたので、これは一石二鳥とばかり、この時は、ATSUMIさんの刺繍を3つ付けました。


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あともう一つは、黒いシンプルなハイネックのイタリア製のメンズセーター。

ゆったりと着られて、

体のラインを拾わない。

薄手から中厚手位の編地で3シーズン着てしまうセーター。

全然毛玉が出来ないところも気に入っています。



この羽織もこのセーターも、10年位は着ていると思います。(飽きないの?着るものに頓着しないの?という声も聞こえつつ)

私にも、私にとってなぜかとても大切な「寄り添うニット」が手元にあったんだなと思いました。


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手編みのニットの場合、

その人が、自分で毛糸を感じて、好きな色を選んで、自分の好きなパターンで、自分の手で編む。

それだけで、なんだか、もうその人の特別なニットだなと思います。


そして、実は、手編みかそうでないかにはかかわらず、その人の生活に喜びを与えてくれて、その人の生活に寄り添うものだったら、
それは、身に着けている期間に関係なく「寄り添うニット」なのだと思います。


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私は、未染色の毛糸を見て触れたとき、いつも、この子たちは、どんな糸で、どんな形になるのだろうと思いを巡らします。
どんな方のおそばに行くのかな?と。

「寄り添うニット」を心にとめつつ、沢山の幸せな毛糸のなかから、ご縁のあった、そして、私の小さな好きがたくさん詰まった毛糸のかせを、これからもご用意していたいなと思っています。



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小さな決意とともに、今回のブログはこのへんで。最後までお付き合いありがとうございました。引き続き、素敵な一日を。