2025/03/01 21:15

こんにちは、手染め毛糸のPalettieです。

さて、今回のブログは、最近、手探りながらも始めた「Knitting Class」のきっかけになった「塗り絵のセーター」についてです。

お時間の許す方がいらっしゃいましたらお付き合いいただけましたら嬉しいです。

それでは、どうぞ・・・


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この写真の4枚のセーターは、ソックヤーンで編んだ少し薄手のものから、アルパカ混の空気を含んだかさのあるもの、モヘアと合太を2本どりにした厚手のものまで、それぞれ、あたたかさや手触り重さなどが異なります。そして、色も様々です。1色だけで編んだもの、2色のグラデーションにしたもの、色面を変えたものがありますが、実は、もともとは、ひとつのパターンから編んであります。

そのパターンは、Hirose Midoriさんデザインの「White Mountains(White Mountains Light)」です。

色の組み合わせや糸の素材を変えて自由に編んでみたいという希望にとてつもなく寄り添ってくれるとても素敵なパターンなのです。

実は、今も、「次に編むとしたらこんなイメージがいいなぁ!」というのが既に浮かんでいるくらい好きです。



4枚のセーターを編み始める時、それぞれ、その時々に着たい色や質感等のイメージが私の中にありました。着てみたいセーターのイメージが複数の色で構成されている場合は、私は、よく、そのイメージを紙に描き起こして色を塗っていきます。だから、私の中では、この一連のセーターを「塗り絵のセーター」とも呼んでいます。


塗り絵のセーターを形にしていく過程は楽しいです。どんなシチュエーションで着たいのか?どんな色でどんな素材なのか?湧いてきたイメージを簡単に紙に描いたら、自分の知っている毛糸の中から相性の良さそうな毛糸を確認したり、新しく毛糸を探しに出たりします。手染めで毛糸を用意することもあります。この写真の中の複数の色で構成されている3枚のセーターは、手染めの糸を用いています。最終的には固執しすぎないようにもしていますが、イメージを形にするのをサポートしてくれそうな毛糸と出合えたらそれはとてもラッキーです。(もし出合えなくても、イメージにより近いものを探したり、知らなかった毛糸に出合えたりもするのでその出合いも楽しみます。)

新しい毛糸に出合った時は、まず、1玉購入して試し編みをしてみたりもします。実際に少し編んでみたら編み地のイメージが異なっていたりすることもあるので、その時は、適宜、イメージと実現可能な方向性のすり合わせや調整をしています。そんなあれやこれやも楽しいのです。

このパターンは、ネックの形も選べます。サイズも豊富にあり、それらを組み合わせることによって、また、雰囲気が少しずつ変わるのです。ネックラインを選ぶのも、どんなふうに着たいのかを選ぶのも楽しいのです。

もちろん、大まかな形は決まっていますし、細かい模様を入れるというようなことではないのですが、細部をご自身の好みの形やサイズに合わせたり、好みの色を部分的に使ってみるようなチャレンジを取り入れやすいのです。こんな風に、ご自身の好みにセミオーダーができる&編めるシンプルなセーターって素敵だなと思っています。

ここまで「White Mountains」を編むのを私がどれくらい嬉しくて好き&楽しいと感じているかをお伝え出来たかと思うのですが、あともう一つ。

・・・実は、大人になってから、ある日突然、しかも、唐突にそして無性に、「これからの人生、私は、手編みのセーターを着たい!」と思うようになりました。あれは、なんとなくというようなほんわかしたものではなく、内側から殻をつき破って光が溢れ出てきたように力強い感情でした。

そして、その希望を叶えるべく、実際に何枚か何種類のセーターを編むうちに・・・パターンの推奨糸と少し異なる雰囲気の毛糸のセーターも着てみたいな、とか、色のグラデーションがあるものや異なる色面のあるシンプルなセーターを着てみたいなとも思うようにもなりました。そんな折に、たまたま出合ったのが「White Mountains」でした。このパターンのおかげで、その時は、まだだいぶ先のいつか、形にできたらなと思っていた私のイメージの中にあった配色&質感のセーターを編むという未来が思いのほか早々にやってきたのが本当に嬉しかったです。

以前から、人によって、体型や雰囲気が異なったり、暑がりさんなのか寒がりさんなのかとか、皮膚の性質などの体質も異なるなと感じていました。その為、人によって、どの形がより似合うのかとか、どの毛糸だったらより心地よいと感じるのかも異なるだろうなと思っています。また、柔らかいものが好きなのか、ラフに着られる少し丈夫なセーターが欲しいのか、フィットしたものが好きなのか、大きめなものをゆったりと羽織るように着たいのかとか・・・淡い色が好きなのか、はっきりした色が好みなのか、明るい色が好きなのか、渋い色が好きなのか・・・お好みも本当に様々だと思っています。だから、編み手さんの着たいイメージに近いセーターが編めたら、きっとその編み手さんも嬉しいのではないかなと思っています。

そんな風に思っているうちに、とうとう、最近は、以前の私のように、もし、塗り絵をするようにご自身の中にあるイメージの色のセーターを着てみたいという方が居たら、その方のご相談を受けながらその方がセーターを編むのを伴走をしたいなと思うようになりました。何しろ、イメージに近い配色や手触りのシンプルセーターが編みあがったときの嬉しさは格別なのです。そして、その嬉しくて静かに楽しい気持ちは、セーターのあたたかさと同じようにじんわりと優しく長く続くのです。

というわけで、どんな配色のセーターを着たいのか?ということを少しじっくり考えてから編み始める「塗り絵のセーター」コースを「Knitting Class」内に設けようと思っています。かなりピンポイントな人を募集しているようなクラスかもしれません。編みたい人が編みたいイメージの配色のものを気軽に編み始められるように、そして最後まで楽しく編めるように伴走出来たらなと思っています。イメージは、自転車に乗りたい人が自転車に乗れるように、水泳を泳ぎたい人に水泳を教えるような・・・。気が付いたら、そのうちに、その人がつい~っと自由に走りまわったり、泳いだりしていけるようになるような時間を過ごすイメージです。それにしても、ご自身のイメージの配色のセーターを編んでみたい人いるのかしら?とも。餅に描いた絵だと寂しいような気もしますが、そのときは、また、そのときです。


まずは、ご報告まで。



最後の2枚の写真は、編みあがった木漏れ日色のセーターをイラストに描き起こしているところと、そのイラストを額装したもの。額装するのも楽しいですよ。

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今回のブログも最後までお付き合いいただきまして、どうもありがとうございました。
引き続き、素敵な週末をお過ごしください。